衛生管理者とは

衛生管理者とは、労働安全衛生法に定めるところにより、常時50人以上の労働者を使用する事業場において選任が義務付けられている、労働衛生に関する技術的事項を管理する者のことです。

衛生管理者には、衛生管理者試験(第一種・第二種)に合格し、東京労働局長の免許を受けた者などを充てなければならないとなっています。

衛生管理者は、職業性疾病や健康障害を未然に防ぎ快適な職場環境づくりに取り組む、労働衛生のプロフェッショナルです。労働者の健康を守るのが主な仕事であり、設備や作業方法、衛生状態をチェックし、問題がある場合はどうすれば衛生を確保できるかを考え、自らも改善を行うほか、経営者に提案、改善を目指します。

現代社会では、労働環境を見直すことに力を入れていることから、職場の衛生管理を行うことができる衛生管理者の職務は、非常に重要視されています。

快適な職場環境の形成

労働者は、1日の生活時間の約3分の1を職場で過ごしているといわれています。その職場が快適ではない場合、大きな疲労やストレスを感じることになります。

暑さ、寒さ、不十分な照度、空気汚染、振動、騒音、負担のかかる不自然な姿勢での作業等、職場環境が不適切な状態にあると、労働者にとって不幸なだけではなく、生産性の面から見ても能率が低下してしまいます。

そこで労働安全衛生法では、事業主は快適な職場環境づくりと労働条件の改善を通じ、労働者の安全と健康を確保しなければならないと定められています。

職場をめぐる環境の変化

近年の技術革新、サービス化・グローバル化の進展に伴う労働環境や就業形態の変化、中高年齢者や女性の職場進出等、職場をめぐる環境は著しく変化しています。

それと同時に、労働者の疲労やストレスを伴う問題は増加し、より一層快適な職場環境の形成が求められるようになっています。

疲労やストレスを感じることの少ない職場環境づくりは、労働者のモラル向上、労働災害・健康障害の防止が期待できるだけではなく、生産性の向上にも良い影響を及ぼします。

衛生管理者の種類

衛生管理者の免許には、第一種衛生管理者と第二種衛生管理者があります。ここでは、その違いについてご紹介します。

第一種免許と第二種免許の最も大きな違いは、就くことのできる業種です。第一種免許を取得すれば、すべての業種に対応できますが、第二種免許では対応できない業種があります。

・第二種衛生管理者が就くことのできない業種

建設業、製造業(加工業も含む)、農林畜水産業、鉱業、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、機械修理業、自動車整備業、医療業、清掃業

試験範囲

第二種衛生管理者は、試験において危険有害業務に関する問題は出題されません。そのため、学習する範囲は狭くなり、第一種よりも比較的簡単に合格することができます。

一方、第一種衛生管理者試験では、有害業務関連の問題が出題されます。有害物質に関する知識をマスターする必要があるため、第二種免許よりも学習時間は長くなります。

第一種衛生管理者免許がおすすめ

有害物質を扱っていない会社であれば、試験が簡単な第二種免許を取得しようと思うでしょう。

しかし、第一種免許を取得しておけば、どこの会社でも通用する資格となります。建設業や製造業では、第一種衛生管理者資格が必須です。

第二種衛生管理者は、第一種衛生管理者よりも業務の範囲が狭まってしまいます。可能であれば、第一種免許を取得しておくと、将来の可能性が広がるでしょう。

衛生管理者試験の概要

衛生管理者試験は「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」が指定機関となっており、全国7箇所にある「安全衛生技術センター」において、月に1~3回実施されています。

詳細につきましては、最寄りの安全衛生技術センターにお問い合わせください。

 センター  所在地  電話番号
北海道安全衛生技術センター  〒061-1407
北海道恵庭市黄金北3-13 
0123-34-1171 
東北安全衛生技術センター  〒989-2427
宮城県岩沼市里の杜1-1-15 
0223-23-3181 
関東安全衛生技術センター  〒290-0011
千葉県市原市能満2089 
0436-75-1141 
中部安全衛生技術センター  〒477-0032
愛知県東海市加木屋町丑寅海戸51-5 
0562-33-1161 
近畿安全衛生技術センター  〒675-0007
兵庫県加古川市神野町西之山字迎野 
0794-38-8481 
中国四国安全衛生技術センター  〒721-0955
広島県福山市新涯町2-29-36 
0849-54-4661 
九州安全衛生技術センター  〒839-0809
福岡県久留米市東合川5-9-3 
0942-43-3381 

試験科目と試験時間

種類 試験科目 試験時間
第一種衛生管理者 関係法令(有害業務に係るものに限る。)
労働衛生(有害業務に係るものに限る。)
関係法令(有害業務に係るものを除く。)
労働衛生(有害業務に係るものを除く。)
労働生理
3時間
科目免除者は2時間15分
特例第一種衛生管理者 労働衛生(有害業務に係るものに限る。)
関係法令(有害業務に係るものに限る。)
2時間
第二種衛生管理者 労働衛生(有害業務に係るものを除く。)
関係法令(有害業務に係るものを除く。)
労働生理
3時間
科目免除者は2時間15分

合格ラインは、科目ごとの得点が40%以上で、かつ、その合計が全体の60%以上であることです。

免除科目

次の科目については、条件を満たしている場合は、試験が免除されます。

・労働生理

<科目の免除を受けることのできる者>

   船員法による衛生管理者適任証書の交付を受けた者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの

受験資格

受験資格、出願の際の添付書類は下表のとおりです。なお、詳細は「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」にお問い合わせください。

番号 受験資格 添付書類
 1-1 学校教育法による大学(短期大学を含む。)又は高等専門学校【 注1 】を卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの ・卒業証明書(原本)又は卒業証書(学位記)の写し【 注7 】
・事業者証明書
 1-2 大学評価・学位授与機構により学士の学位を授与された者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの ・学士の学位授与証明書(原本)又は学位記の写し【 注7 】
・事業者証明書
 1-3 省庁大学校【注2】を卒業(修了)した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの ・卒業証明書(原本)、卒業証書の写し【 注7 】 又は修了証明書(原本)(課程が限定される場合は当該課程を修めたことを特記したもの)
・単位修得証明書等(学位取得に必要な所定単位を修得したことを特記したもの。)(※1-4の場合のみ)
・事業者証明書
 1-4 専修学校の専門課程(2年以上・1700時間以上)の修了者(大学入学の有資格者に限る。)などで、その後大学等において大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与されるのに必要な所定の単位を修得した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
 1-5 指定を受けた専修学校の専門課程(4年以上)を一定日以後に修了した者など(学校教育法施行規則第155条第1項該当者)で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
 2 学校教育法による高等学校又は中等教育学校【 注3 】を卒業した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの ・卒業証明書(原本)又は卒業証書の写し【 注7 】
・事業者証明書
 8 10年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの ・事業者証明書
 3 船員法による衛生管理者適任証書の交付を受けた者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの ・衛生管理者適任証書の写し【 注7 】
・事業者証明書
 4 高等学校卒業程度認定試験に合格した者、外国において学校教育における12年の課程を修了した者など学校教育法施行規則第150条に規定する者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの ・合格証の写し等【 注7 】
・事業者証明書
 5-1 専門課程又は特定専門課程の高度職業訓練のうち能開則別表第6により行われるもの【 注4 】を修了した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの ・職業訓練修了証(又は卒業証書)の写し又は卒業証明書(原本)(当該訓練を修了したことを特記したもの)【 注7 】
・事業者証明書
 5-2 応用課程の高度職業訓練のうち能開則別表第7により行われるものを修了した者で、その後l年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
 6 普通課程の普通職業訓練のうち能開則別表第2により行われるもの【 注4 】を修了した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
 7 旧専修訓練課程の普通職業訓練【 注4 】を修了した者で、その後4年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
 9-1 外国において、学校教育における14年以上の課程を修了した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの ・卒業証明書(原本)又は卒業証書の写し【 注7 】
・事業者証明書
 9-2 特別支援学校(旧盲学校、聾(ろう)学校又は養護学校)の高等部を卒業した者など学校教育法第90条第1項の通常の課程による12年の学校教育を修了した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの  ・修了証明書(原本)、卒業証明書(原本)又は卒業証書の写し【 注7 】
・事業者証明書
 9-3 朝鮮大学校(4年制学科)を140単位以上取得して卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの ・卒業証明書(原本)又は卒業証書の写し【 注7 】
・取得単位の証明書
・事業者証明書
【注1】  高等専門学校には、専修学校・各種学校等は含まれません。
【注2】  「省庁大学校」には、防衛大学校、防衛医科大学校、水産大学校、海上保安大学校、職業能力開発総合大学校の長期課程・総合課程、気象大学校の大学部及び国立看護大学校の看護学部看護学科(それぞれ旧法令による同等のものを含む。)が該当します。
【注3】  中等教育学校とは中高一貫教育の学校のことで、中学校ではありません。
【注4】  改正前の法令により当該訓練と同等とみなされるものを含みます。
【注5】  外国語で書かれた卒業証書の写し、卒業証明書等を添付する場合は、その日本語訳も添付してください。
【注6】  提出された添付書類は、返却いたしません。
【注7】 添付書類の「写し」には「原本と相違ないことを証明する。」との事業者の原本証明が必要です。

☆事業者証明書(実務証明書)につきましては、こちらからダウンロードできます。

その他添付書類について

受験申請を提出する際には、各受験資格に定める添付書類のほか、次の書類も必要となります。

1.本人確認証明書(氏名、生年月日及び住所を確認できる書類)

受験申請書には次の(1)~(5)の書類(注)のいずれか一つを添付してください。
なお、受験資格及び免除資格の証明のため事業者証明書若しくは各センターで発行した免許試験結果通知書又は受験票のいずれかを添付される場合には、本人確認証明書は不要です。

(1)住民票又は住民票記載事項証明書

(2)健康保険被保険者証の写し(表裏)

(3)労働安全衛生法関係各種免許証の写し(表裏)

(4)自動車運転免許証の写し(表裏)

(5)その他氏名、生年月日及び住所が記載されている身分証明書等の写し
(「個人番号カード」をコピーする場合には、個人番号が記載されている「個人番号カード」の裏面をコピーしないでください。なお、個人番号を記載した「通知カード」は、身分証明書ではありません。)

(注)この本人確認証明書に限り、写しには「原本と相違ないことを証明する。」との事業者の原本証明は不要です。

(注)住所の記載がない書類の場合は、他に本人の氏名と住所が記載された郵便物等のコピーも添付してください。(3)の「労働安全衛生法関係各種免許証の写し」で住所変更した場合も同様です。

(注)実技教習(技能講習)修了証は、本人確認証明書にはなりません。

2.氏名の変更

受験申請書に記入された氏名が、結婚等により各種証明書類に記載されているものと異なっているときは、変更の事実が確認できる戸籍個人事項証明書(一部証明で可)、戸籍抄本等を添付してください。

3.マイナンバーの取り扱いについて

受験申請書に添付する住民票等の本人確認証明書には、「個人番号(マイナンバー)が記載されていない住民票等」を添付してください。